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澤田 龍彦

じぶんの声を通して、
自己肯定感が芽生えてくる。
声はいつもあなたの味方です。

大学では情報学、知能システムを専攻。一部上場企業で勤務ののち、20代で独立、会社経営に携わる。事業を運営するための学びを得るため、社会人向け勉強会や交流会に参加する。そこには、上手な話し方も、プレゼン方法もなく、参加者が純粋にやりたいことや好きなことを語る場があった。それに心を揺さぶられる。ビジネスにおける立場の枠を越えて、心から思っていることを安心して伝え合える社会をつくりたいと思います。

2010年より楠瀬誠志郎に師事。

INTERVIEW

ー龍彦先生が感じる他のボイストレーニングスクールとの違いはなんですか?

よくある「プレゼンのため」とか「話すため」になると表層的な声の出し方になってしまうところが、パラの場合はプロセスがまったく違うという点ですね。もちろんプレゼンなど直近の課題として来られる方はいらっしゃるので、それに対するソリューションも提供しています。

ー声をよくしていくプロセス、ですか。

多くは何かしら声に課題を感じて解決したいという入り口から始まりますが、「実は自分の声ってこんな風なんだ」ということにまずは気づいて、現状をしっかり一緒に認知していきます。認知し尽くした所に自分なりの受容ができてきて、「これでいいんだ」と自然に自分の声を肯定する流れに入ってくる。そして周りからも「いい声だね」とほめられると、自分から声を使ってみようという気持ちになリます。それが次第に話すことや歌うことの表現につながっていく。この順番で気づいていただけると、単に声の出し方というだけで悩まずに、一番自然な形で自分の力を発揮していくことができます。

ー龍彦先生は以前、会社経営されていたそうですがなぜ声の世界に入られたのでしょうか?

私は大学が情報系専攻だったこともあって、始めはシステム開発の会社に入社して働いていました。独立しやすい業界でもあったので、会社をつくって、経営者としてその会社に入りました。しばらく順調だったんですけど、その後にリーマンショックが起きたんです。取引先から厳しい条件を言われますから、雇っている年上の人たちに結局厳しい条件を突き付けることになるのですが、ものすごい摩擦が起きるわけです。もうストレス満載になって、胃が痛いというような状況になってしまった。そこで、コミュニケーションについて勉強し直さなきゃなと思ったんですよね。私はすぐに「声」に来たわけではなくて、心理学やカウンセリングの勉強を通して自分のコミュニケーションの取り方を見直していきました。そんなある時、知人と食事会で話をして、「澤田さんいい声ですね」と言われたんですけど、むしろ私はその名残は感じられると思うんですけれど、こもるほうで何を言っているか分からない自分の声が嫌でコンプレックスだったんです。でも、「いい声です」と言ってくれたので、自分の声に意識が向いてすごい気になり始めますよね。すると、その人がパラに通っていると分かったので、「じゃあ行ってみます」と。自分の声も気になるし、当時は勉強会で講師として話すこともあったし、カウンセラーとして話す機会もあるかなと思っていたので、声について学んだほうがいいんじゃないかと思って来ました。

ーそれで楠瀬先生の体験レッスンを受けられたと。

その楠瀬の体験レッスンの最後に「いい声ってどんな声ですか?」と質問したんですよ。すると楠瀬から「相手が話しやすいと感じるかどうかが大切なんだ」と返ってきたんですよ。「おぉ」という驚きを感じました。心理学やカウンセリングの学びの中で、当然「傾聴」が大事だっていう話が出てきますよね。でもここに来る時は、うまく話してやるぜという気持ちで来るわけですよ。でも最後の最後で「相手が話しやすいことだよ」というのが衝撃的というか印象に残って。つまりこの方は、声の指導をしていて歌も歌っていて、でもポンと返ってきたのは、聞く側主体の答えであるのは、何となくいいんじゃないかな、きっといい感じだなと思って入会しました。

ーそんなユニークな観点からの入会だったんですね。その後どうしてインストラクターになろうと思われたんですか?

入会するまでは、声が変わった後に自信がつくんだと思っていたのですが、入会後は「今日の声はこうだった。よかった」という小さくて地味な重ねが、交互に回りながら大きくなるような感覚を覚えました。つまり、声の改善をしているんだけど、自信もすぐ側にあるというような、非常に心理的な効果を受講生として味わったので、インストラクターになろうと思いました。

ー声の改善と同時に自信がつく?

そうです。声を改善するのが表層なんですけど、同時にその人自身の自己肯定感をすごく高めていく力を持っている。そこがすごくいいなと思いましたね。

ー龍彦先生は普段どんなことを担当されていますか?

クラスはカピュムA、カピュムB、パピュムです。キッズクラスは幸栄先生に任せていますが、プロジェクト自体のプロデュースは私が担当しています。企業研修などの依頼が来たら、自分が赴いたり他のインストラクターの調整も行ったりします。あとは楠瀬の音楽活動のマネージャーでもあります。

ー企業研修もされているのですね。

会社に訪問して、半日から複数回の講座で声のトレーニングを行っています。プレゼンテーション講座の声バージョンや、伝える声そのものを鍛えましょうという提案をしていますね。

ーレッスンを通じて受講生に持ち帰ってほしいことは何ですか?

「今日も気持ちが良かったな」という所で十分なんですけれど、今日の身体や声の状態に自分でOKを出すような、ある意味良くも悪くも今日はこうだったということを見ていただきたいなと思っています。できればそれを自分だけじゃなく、一緒に学んでいる受講生の声も感じながら「今日も声が出てよかったね」という気持ちになっていただければと思います。

ーそんな龍彦先生の理想的なレッスンができている時、スタジオの状態はどういう感覚ですか?

一つになっている感じですね。パラでよくいう「筒のような響き」で表現すると、全員の筒がくっついて、一本の大きな筒になっているイメージです。「個を磨き、団を成す」という言い方をパラはするんですけど、個人は消えていないけど、かなり混ざり合っている、響きが溶け合っているような感覚です。

ー龍彦先生はレッスン中にどんなことを心がけていらっしゃいますか?

アドバイスをどこまで具体的にするかという点は気にしています。本当は、本人が自分で気づくのが一番いいんですよね、それが成長につながるので。説明は少なくして、インストラクターの響きを真似してもらうとか、この世界観を味わう中で成長していくというのが、理想的ではあるんですよね。その一方で、私は説明好きなので、質問されると説明したい(笑)そこで何を意識しているかというと、その人自身が一番落ち着いたり楽になったりする声は、自ずとにそこに収まっていくということなんです。だから、私たちは引き出しているだけ、思い出してもらっているだけで、何か別の正解にリードしているわけではない。あくまでその人の本来のままである所にリードするので、個別のアドバイスによって気づきを促したとしても、その人が必要以上に進む必要はないし、自分が自分で成果として落ち着くであろう所からはみ出す、外れるようなリードはしないというようなことを思っています。

ー別の所に引っ張るような説明ではなくて、その人が自分の中に還っていけるような説明といいますか。

はい。私たちのプログラム自体がそもそもそういう方向に向かうようになっています。

ー龍彦先生にとって「声」とはどういう存在ですか?

私としては声にコンプレックスがあった時期がありますが、「いつも一緒にいてくれるもの、ずっと味方でいてくれるもの」かな。

ーすごくいい言葉ですね。

自分が一番の味方なので。例えば、緊張しちゃう場面ってあるじゃないですか。その時って、声が味方じゃないんですよね。オーディエンス、自分、声が、どうしていいか、どうなるか分からない状態が緊張だと思う。でも、自分の声はそもそも応援してくれるもの、自分の声だけは自分の味方だと思えば、緊張しない要素は絶対一個はある。全員聞いてくれていなくても、これだけはいつも準備しているぜって。緊張したらどうしようではなくて、この声を出し始めれば必ずいい方にいけるはずだ、自分が声を出した瞬間に緊張も和らぐという感覚ですね。

ーインストラクターをされてきて嬉しかったことは何ですか?

もちろん生徒さんが自分自身で「声変わりました。ありがとうございます」って変化を感じていただくことです。そしてそれを持って、新しいことにチャレンジしていかれるようなことですよね。さらに、この身体の感覚を分かってきた受講生と、その辺の話をするのが一番面白いですよね。知らない人に話すと、「こいつ何言ってるんだよ」みたいな感じですけど、この話をできる人が増えるのが楽しいです。ちょっとマニアック(笑)身体の感覚を通しての学びだよね、ということを言っていただける受講生が増えてきたのが、最近うれしかったことになりますね。

ー先生から見て、受講生たちの雰囲気はいかがですか?

個性にあふれています。そういうことをパラが作れているということを感じますね。一番最初は自己紹介しますが、途中入会だと特に自己紹介もしないので、先に声だけ聴く関係になるんですよ。

ー不思議な関係ですね。

みなさんの個性が出せる雰囲気作りを心がけていますし、実際にそうなっているので、個性がすごく出てくるんです。

ー龍彦先生にとって、ブレイヴォーパラはどんな存在でしょうか?

今お話ししてきたようなことがブレイヴォーパラの枠組みなんですけれど、そのレッスンやプログラムや考え方、世界観というものが、このままずっと続いてほしいなと思うものです。

ーブレイヴォーパラにはどんな人に来てほしいですか?

カウンセラー、コーチ、ファシリテーター、少なくとも声をお仕事にされている方には絶対に来てほしい。それに加えて、「考えるな感じろ」という身体を使って学ぼうと言われる時代になってきたけど、いまいちそういう学びが見つかっていない方にもぜひ試してほしいですね。

ー学べる内容も興味深いです。

大人は声を出すということに、ブロックやブレーキがかかりがちなので、外してインストールし直して、内面にも気づいていただくレッスンをしています。子どもたちはまだまっさらなので、すぐに元気よく声を出せるようになります。また、子どもたちにも、どういう気持ちであるのかをちゃんと観察しようという学びが広がってきていますね。それと合わせて、ここまでお話しているように、自分の身体はどういう状態なのかを観るということ。声と感情ってすごく親和性が高いと思っているので、子どもにもっとこれが広がっていったらいいなと思っています。

ーブレイヴォーパラは子どもも対象にされていますよね。

はい。もし子どもが成長の過程で誰かに強く反対されたり否定されたりするようなことがあっても、声を出して遊んでいるうちに肯定感が芽生えて、そこを通り過ぎればまた気持ちが復活できると思うので、予防としてもすごくいいはずなんです。最近では子どものプレゼン授業が小学生の指導要領に書かれ始めています。ただそこで学習塾などが入ってくると、方法論的なものが割合として増えちゃうんですよね。そうすると、できなかったことがいいわるいとか自信がないなどにつながってしまうので……それが最初にお話しした「自分を認めながら、表現していく」という順番を丁寧に守りたいという一つの理由でもあります。言いたければ自然に言う、それが自然なんですよね。

ー子どもも大人もレッスンしていくうちにできるようになる。

そうです。それが本当のスピーチとか、国際的にディベートができる、議論ができる、対話ができるという力だと思います。その根底にある肯定感というのは、パラで言えば「声と身体に自分でOKを出す、受け入れる」という感覚が本当の意味ではあるんですよね。その繰り返しが大事なんだと思っています。

インストラクター名
澤田 龍彦
担当クラス
CapyumB/Papyum/Mi・Furet